※えろくみえなくてもそれなりのことをやっているので15禁で。




Fall drop plop!

「またぁ?…シズちゃん…ガキじゃないんだからさぁ…」 そう言いながら、大人しくジャケットを脱ぎ始める。 君と違って何度も同じ失敗はしないよ、と忌々しげにぼやく。 前に上着を破ったのを根に持っているんだろうか。 それとも、この間地面に引き倒してそのままやったのを言われてるのか。 ―――宛がありすぎてどれだか想像も付かない。 「…臨也」 「ああ、良いって。君こういう時何言っても墓穴掘るだけじゃない」 人が折角謝ってやろうと思ったのに何だその態度は。 この野郎、後で絶対殴る。 こっちが苛立ちを押さえようと必死になっているというのに、臨也の奴、ご丁寧にハンガーまで持ち出しやがった。 それはそうと。 まぁなんだ。 毎度毎度思うことだが、こいつほんとろくなもん食べてないんじゃないか。 …細すぎる。 厚手のジャケットや嵩増ししたコート姿を見慣れていると、脱いだ時の細さが病的にすら思える。 ただ。 そう、細いだけなら別に構いやしないのだが、どうにも何というかよろしくない。 首も腕も何もかも、無防備に晒し過ぎている気がする。 でもそうか。 いつもは見えてないんだから良いのか。 駄目だ、もうわかんねぇ。 「…大体、何か考える余裕なんて有るの?ん?」 「っ!」 不意に間合いに入った臨也の手が、するりとなぞるように下半身に触れた。 「あはは。盛っちゃってー、全く…若いねぇシズちゃんは」 手前もだろうが、と言えないのが辛い。 明らかに経験値に差があるので強く出られないのである。 「良いねぇシズちゃん。…すっごくエロい顔してるよ」 頬をすっと撫でる指。 その仕草が何だか手慣れている気がして面白くない。 「…手前こそ、何て顔してやがる」 強がって吐き捨てるように言うと、臨也は何故かすっと目を細め、 「んー?そうだなぁ…強いて言うなら、君を食べちゃいたいと思ってる、ぐらいかな」 ぺろり、と真っ赤な舌を出した。 / 本当は、キスだけでもう精一杯である。 常に最初は分が悪い。 「シズ、ちゃ…」 そして何とかベッドに倒すまですれば、あとはもう根比べだ。 俺が音を上げるのが先か、臨也が降参するのが先か。 唯一俺に救いがあるとすれば、特に技巧が無くともノってくれる所だろうか。 こいつは腹が立つほど欲望に従順だ。 プライドという物と大凡無縁なのかと思われるほどの快楽主義者だ。 生白い肌に吸い付く。 ぱっと紅い痕が残って目に鮮やかだ。 相手が誰であろうと、構わない。 本人がそう言いきるのだからそうなのだろう。 「んっ」 ただ、その割にどこか理性的に観察する自分を捨て切れていないらしい。 臨也はいつも歯を食いしばる様にして声を殺す。 躯はすぐに放り出す癖に、変なところで意地を張るのが何ともこいつらしい。 「…ふ…っ」 出し惜しむように漏らされる吐息が、俺のなけなしの理性を切り崩す。 頑なに聞かせまいとされれば、尚のこと聞きたくなるのが人情だろう。 「―――っ!」 口元を覆っている手の甲に口付けた。 力が緩んだのを見計らって片腕を取り上げて手首の内側を舐る。 「ひっ!」 「臨也…声、聞かせろ」 余り大きな声も出せないので、耳元に吹き込むように言う。 「なん、で」 …エロい声。 「どうせ、俺以外聞いてねぇ…から」 すると、くくく、と喉の奥で笑い、 「君に、聞かせたく…ないんだよ」 くしゃりと髪を撫でてきた。 その仕草が何だか子供扱いされているような気がして腹が立つ。 「…なんで」 睨むと、浮かされたような顔で、 「だって、シズちゃん…負けたくない、だろ?」 そして幾らか挑戦的な目でそう言った。 この野郎。 「あふ、あ…坊やには…刺激が、強い、じゃない?」 …同い年の男を捕まえて坊やと来たか。 「臨也」 努めて平坦に名前を呼ぶ。 とは言え、完全には殺しきれないのが苦しいところだが。 「ん…そんなに…聞きたいの?」 臨也はさっきまで髪を弄っていた手を頬に滑らせる。 その手付きが何となく淫靡で、思わず顔を顰めた。 悔しいが、俺はこいつ以外知らない。 だが、全ての人間がこんな風に的確に、鋭く神経を刺激してくるとは思えない。 とすれば、幸か不幸か、俺は特別『上手』な相手しか知らないのだ。 「ああ…聞きてぇな」 いつも煽られるまま、乗せられるまま。 出来るのは、素直に従うことと、ほんの少し逆らうことだけだ。 「あはは、獣みたいだ」 背筋がぞわりとするような笑みを浮かべて、 「良い…よ、啼かせてごらん」 親指を軽く俺の唇に添えた。 (いっそ腹が立つほど 俺はこの男に夢中なのだ!)

さて、先生。 えろくないえろは健全ですか。 ついったーで拾ったネタから派生してたりしてなかったり。 当初の予定からずれるずれる笑 そして、案の定えろが適当です。 2010/04/07