※10000hitリクエスト「静臨で新セルやワゴン組や来良組から見たケンカップル/できれば女体化」
※※と言いながら、二人は完全に脇でした…。


犬も食わない!

いやあ、セルティ。 君が心配してくれるなんて正に恐悦至極だね。 有り難すぎて最早夢と現実の区別が出来なくなったんじゃないかと心配になってきたよ。 いた! 痛い。 …そうか、今のは夢じゃないと証明する為の気遣いだったんだね。 流石セルティ。 そういう細やかな気の使い方が出来る可憐さが僕はとても…いたいいたい。 照れないでよ。 …ごめんよ、俺はこういう大げさとも取れるような愛情表現しか出来ないようになってるんだ。 ほら、君が繊細だから、それとバランスを取る意味でも大げさに げふぅ。 …え? ああ、大したことじゃないよ。 私はね、好きな相手にはきちんと好きだと言いたい方なんだ。 出来るなら毎時間、毎分、もういっそ常にでも良い。 そのほうが誤解もなく伝わるかと思ってね。 鋭いなぁ…やっぱり君は勘が良いね。 だってね、高校時代からだから…ええっと…もうかれこれ六、七年は経っているのかな…ああ時の流れというのは残酷だよ。 ああそうそう、そうだったね。 彼らの不器用ぶりというか勘違いぶりというか、まぁわかってくれると思うけど、あの二人は本当に、もの凄く良い反面教師になったよ。 あれはよくない。 実に良くないよ。 お互いに意地を張っているのかあれが素なのかはもはや分からないけれど、いい加減認めればいいと思うんだ。 はた迷惑なことこの上ないしね。 大嫌いだとか言って四六時中喧嘩しているくせにじゃあ逢わなきゃ良いじゃないか、って忠告したら 『あいつの方が来るんだから仕方ないんだよ』 とか二人ともが言うんだよ? ほんと何て言うか…ねぇ。 何もかもすっ飛ばしてひたすらいちゃいちゃしているようにしか見えないんだけど、どう思う、セルティ。 / 「思うに、臨也さんは大変ハイスペックだと思うんですよ」 「いきなり来たねぇゆまっち」 「おい遊馬崎…また何か」 「大体ですよ、割と華奢な部類にしてあの運動能力。大きめのコートも配点高いですよ!」 「確かにねぇ。美人系とロリ系の間ぐらいの顔で、あの良い感じの肉付きの太腿、とか」 「…お前らなぁ」 「門田さんだってそう思うでしょ。ていうか高校時代から一緒だったって事は制服姿も見てるんですよね…羨ましい」 「…そんな珍しいもんでもねぇだろ」 「珍しいよ、私たちは見てないもん。清純派だったの、それともばりばりエロ系?」 「だから、なんでそれを俺に聞くんだ」 「あれ、門田さん…もしかして…」 「な、何だ」 「ドタチーン…水くさいよ−。言ってくれればもうちょっと気を遣ったのに」 「ちょっと待て、何か勘違いして」 「門田さんに臨也さん萌え属性があったなんて、聞いてなかったですよー」 「…………………は?」 「分かるよ、分かるよドタチン。自分の最萌えキャラが予想外のキャラとくっついたときのあのイラッとする感じ!」 「お前じゃ俺の嫁に釣り合わん!って言いたくなるんですよねぇこれが。世の中上手くいかない物ですよ」 「………はぁ」 「ただ私は割と好きだよ−、あの二人。殺伐愛、殺し愛と見せかけてただのいちゃいちゃって言う辺りが」 「臨也さんがちょっと夢魔っぽい感じなのがまた良いですよ。エロゲによくありがちですけど、王道には王道たる所以があるんです!」 「…そうか」 「って訳で、ドタチン、高校時代の二人についてkwsk!」 / 「またやってるよ、あの二人…」 彼が指さした先には周囲の人を全く気にせず仲良く喧嘩するいつもの二人の姿があった。 とても楽しそうな顔でナイフを振るっている。 「あはは…懲りないなぁ…臨也さんも」 そう言うと、 「………」 何故か園原さんは黙り込んでしまった。 「あれ、僕なんか変なこと言った!?」 右脇から結構きつく肘鉄を食らう。 「い、痛いよ紀田く…」 「(女の子の前で他の女の名前出すとか最低だぞー、帝人ー)」 茶化すような口調だが、ちょっと目が険しい。 「(いや、別にそんなつもりじゃないし、ていうか紀田君が振るから!)」 必死に弁解する。 「あの二人…付き合ってるんですよね」 聞こえた声と話の中身が噛み合わなくて、一瞬反応できなかった。 「…へ?」 …もの凄く間抜けな声が出た。 「…えっとその…二人とも相手が好きだって、分かってるんですよね」 彼女があの二人の事について興味があるとは思わなかった。 「え、まぁ…多分」 紀田君も何となくどうしていいか分かっていない、という感じがする。 「好きなのに…どうして傷付けようとするんですか?」 何故か彼女の瞳には違う物が映っているように見える。 「…もしかすると分かってないのかもねぇ…」 そう呟いた彼もまた、見たことの無いような表情だ。 「…紀田君?」 「ま、あれは特殊な事例だから。俺はあんなバイオレンスな付き合い方より、運命の女神に愛を捧げたいね」 途端にいつもの顔に戻る。 「と、言う訳で帝人席替われー!」 「ちょ、紀田君!」 もう一度ちらっと確認した所、あの二人は疾うにいなくなっていた。

大変遅くなりました…。 女体化…できてるのか…? こんなものでよければお納め下さい。 2010/03/26