※ある方との交換条件に嫁に出します☆ 超スピード。


さながら柴犬

「でもさぁ、俺は別に文句があった訳でも何でも無いんだ」 ベンチに背を凭せ掛けてぼやく。 「そうなのか?」 「そうなんだよ」 目をきつめに閉じては開き、閉じては開き。 なんだろう、眠いんだろうか。 「何時まで仕事だったんだ?」 聞くと、うーん、と首を傾げる。 俺の回りには、やたらと首を傾げる癖のある奴が多い。 そういう奴ばかり身の回りに集まったのか、お互いに影響しあっているのかは解らない。 ただ、何れにせよなにがしか近い連中なのだろう。 「昨日…は、結局一時だったかな」 伸びをしながら言う。 「…ああ、それは眠いな」 俺のコメントにびっくりしたのか、目を丸くしてこちらを見た。 「俺、眠いって言ったっけ?」 …ほんと、これだけ見ていたら「池袋最強」ってのは何かの間違いなんじゃないかと思えてくる。 なんだかすっとぼけた返答につい笑ってしまう。 「言われるまでもなく、見ればわかるだろ」 すると再び首を傾げ、 「そういうもんか?」 と納得の行かない顔をした。 「そういうもんだろ」 それでもまだ何か言いたそうにしていたので、軽くぽんぽん、と頭を撫でてやる。 「…なんだ、そりゃ」 そう言いつつ、決して手を払い除けたりしない。 むしろ大人しく頭を差し出して(と言っても少し傾けているだけなのだが)撫でられている様が、少し 「柴犬を思い出すな」 つい口から出た一言俺も静雄も同時に顔を顰め、 同時に吹き出した。 「「犬かよ」」 そう言いつつ、どちらも撫でるのをやめようとはしなかった。

続きは某さんに期待☆ 2010/02/20